博多を代表する特産物
博多にはたくさんの美味しい特産物がありますが、
その中でもとりわけ知名度が高く、多くの人に好まれているのが
「博多明太子」こと「辛子明太子」です。
博多の辛子明太子といえば贈答品としても有名で、直接福岡を訪れた人ばかりでなく
お歳暮やお中元などの贈答シーズンになるときまって高級品として全国のデパートや
通信販売で紹介をされています。
近隣のスーパーなどでも明太子は手軽に購入できる食材ですが、
博多で購入する辛子明太子はまたひと味違っており、一度食べると
その美味しさにやみつきになってしまうこともよくあります。
しかしふと考えてみると、どうして博多では明太子が有名なのかは不思議です。
確かに福岡には博多湾や玄界灘があるので多くの海産物が採取できますが、
その中でもどうして博多の辛子明太子だけがこんなにも飛び抜けて高い評価に
なっているのかはちょっと疑問ですよね。
実は博多における辛子明太子には長い歴史的なストーリーがあるのです。
もともとは朝鮮半島から伝えられた食品
福岡といえば日本の中でも一番朝鮮半島との距離が近く、
過去の長い歴史の中でも文化的な交流が最も盛んに行われてきた都市でした。
そのため福岡の食品には朝鮮半島の調理方法や加工方法がかなり大きく影響しています。
辛子明太子のもとになったのは朝鮮半島ではおなじみの食品である「キムチ」で、
唐辛子を使って濃い味付けにするという加工方法が使われていました。
朝鮮半島でも日本の辛子明太子と同じく魚卵を唐辛子で味付けする「明卵漬」というものが
あります。日本にその「明卵漬」が伝わったのは日露戦争の直後の時期で、
当時日本占領下におかれていた朝鮮との連絡船に運ばれてきたのが始まりです。
しかし当時輸入されてきた「明卵漬」は現在のような博多の辛子明太子とは
少し違っており、普通の魚卵たらこに唐辛子をまぶしたタイプでした。
それから時代は流れて1960年代に入ったところで、ようやく博多の銘店「ふくや」が
現在のような辛子明太子のような漬け込み方の加工方法を考案しました。
その後山陽新幹線が開通し博多を訪れる観光客が急増したというタイミングもあり、
博多の辛子明太子は特産品として一躍有名になっていったのでした。
現在では博多で辛子明太子を取り扱う加工業者が増えましたが、
やはり本家本元の「ふくや」のものが一番人気となっています。
明太子とたらこの違いとは
豆知識として紹介したいのが「辛子明太子」の定義です。
辛子明太子とよく似た食品にたらこがありますが、
どちらもスケトウダラというタラ科の魚の卵を使っています。
たらこの場合にはスケトウダラの魚卵を塩漬けにしただけなのですが、
辛子明太子の場合にはそこに唐辛子をたっぷりを含ませます。
この唐辛子を中心にした調味料の具合がなかなか難しく、
前項のようになかなか開発に時間がかかったという歴史があります。
博多の辛子明太子の美味しさの秘密は、
そうした長年の研究の成果の結晶ということでしょう。